反物質Ⅲ 反物質Ⅲ 第6章 イリーナ・モロゾワ
サンクトペテルブルクの夜は、雨の匂いを含んだまま沈んでいた。ネヴァ川の水面は黒く、岸壁に並ぶ灯りだけを細く伸ばしている。川沿いの旧研究棟は、外から見れば19世紀の石造建築にすぎなかったが、地下3階から下は、軍の地図にも載らない閉域施設へと姿...
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